ユーザーレポート
―株式会社アクト 様―

株式会社アクト 様[貸切バス事業] ―「Yazac-eye3T」と自社開発の配車管理システムを連携。 一歩先を行く安全・労務管理を実現―

▲静岡発着であれば全国対応可能。大型~マイクロバスまで揃う

「静岡から全国へ」をモットーに貸切バス事業を営む株式会社アクト。「Yazec-eye3T」と自社開発の配車管理システムを連携させて、一歩先の安全に取り組む、バス業界をリードする企業である。

今、バス業界は変化を求められている。痛ましい事故により、バス乗務員の過労運転が表面化。業界全体への信頼が揺らぎ、早急な安全・労務面の見直しが求められる一方で、慢性的な人手不足の問題が先立ち、対応は遅れている。そのような中「このままでは業界がダメになる」と1つのバス会社が立ち上がった。静岡県沼津市に本社を置く、保有台数16台、乗務員24名の株式会社アクト(山田 憲市 代表取締役)である。企業や学校の送迎を得意とする地域密着型の貸切バス事業者だ。同社では、Yazac-eye3Tからの取得データを、安全教育だけでなく乗務員の労務管理にも生かしている。どのような活用を行っているのか、早速取材に伺った。

時代は労務管理へ

「4週平均で1週65時間、ハンドル時間は40時間。この労務管理でクリアになった。それが大きい。」

同社で自社開発した配車管理システム「sora」は、受注から配車、車両管理、乗務員の労務管理まで網羅したシステムである。社内ツールとしてだけではなく、得意先には専用の予約画面を開放、24時間発注や予約状況の確認ができる。また運行引受書やバス看板などが印刷できることもあり、好評を得ていると同社事業部長の小川氏は語る。
法令では「乗務員の拘束時間は4週を平均し1週あたり65時間以内、うちハンドルを握る時間が40時間以内」と決められている。しかし発注内容に合わせ、どの乗務員が余裕をもって時間内に運行できるか把握しづらかった。
そこでYazac-eye3Tのデジタコからの出力データと連携し、労働時間を自動計算。正確な残労働時間が把握できるようになったことは非常に大きかったという。

▲Yazac-eye3T本体とカメラ

「ヒヤリハットは時間を空けず、すぐ指導する。いつも見られているという緊張感は非常に大切。」

ドライブレコーダー「Yazac-eye3T」の映像は安全教育の面で大きな進歩があった。導入前は乗務員の仕事ぶりが見られず、指導も曖昧な部分があったが、導入後は急加速や急発進の映像を中心に、具体的な指導ができるようになったという。「ただし2、3日経つと本人は忘れてしまうので、日々チェックし、すぐに指導することが大切。そのため映像は外出先でも乗務員がスマホから見られる形で情報共有している」(小川氏)。一方的に叱るのではなく「なぜここで急ブレーキを踏まなければならなかったのか」など、報告書と共に自分で考えさせるようにしている。

▲ヒヤリハットはもちろん、管理者が見て危ないと思う運転は、徹底的に乗務員と話し合い、無事故を目指す。

また、Yazac-eye3Tの映像から声も確認できることが役立っている。「バス事業=サービス業」と捉える同社では、発進前には必ず「社名」「氏名」「目的地」「所要時間」「シートベルト着用のお願い」を言うことを義務付けている。これをきちんと行うことが安全・安心への第一歩と考えているからだ。運転だけでなく、礼儀、姿勢、目線などを映像・声から判断し、管理者が疑問を感じた運転については、安全教育の場で提示して全員でディスカッションする。その話し合いをもとに、今後はこういう運転をしようと、乗務員自身が工夫し、前向きになったことで事故が減ったのだという。

「【急】がつく運転はしなくなった。」
「この会社が安全に厳しいと聞いて入社した。」
「事故を起こさない。それが上手いドライバーだ。」

「ボタンを押すだけなので、難しい操作は全くない」
「映像を見た先輩から、運転をさらに良くする為のアドバイスを貰える」
「お客様を乗せていない時は油断しがちだが、それを防止してくれる」

何よりも見られていることにより「お客様の安全第一」を考え、無理をしなくなったという。中でも印象的だったのが3ヶ月前に入社した乗務員の言葉だった。「ドラレコや教育など、アクトが安全に厳しい会社と聞き、こちらにお世話になろうと思った。」人手不足といわれる今、同社の安全への企業姿勢が求職者に受け入れられ、良い影響をもたらしているようだ。

「決め手は安心感。データの連携も矢崎さんだからこそ、うまくいった。」

通常、機器の使い方のアドバイスやトラブルの解決などで、メーカーやその代理店はアフターフォローを行う。しかしアクトの場合、小川氏のITリテラシーが非常に高く、矢崎に恵まれたのは労務管理を自動化するためのデータ連携だった。Yazac-eye3Tは色々なシステムと連携可能であるため、既存システムの中から選んで使う事も考えたが、小川氏はアクトの事業内容に完全に沿った形でのデータ連携にしたかったという。デジタコの運転時間データをどうすればアクト側で処理しやすく、また小川氏以外の人が見てもわかりやすいのか。何度もやり直しながら連携することに成功した。細部に至るまでクライアントの要望を聞き、最後まであきらめずに対応する矢崎の姿は、アクトにとっての「安心感」となったのである。
バス業界は依然として厳しい状況に置かれている。安全面への世間の目はまだ回復したとは言えない。しかし、アクトの発想力と矢崎エナジーシステムの対応力で、バス業界にとって、また一歩先の安全と信頼を造り続けている。

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